みなさん、おうちモンテしていますか?
モンテッソーリ講師のあでりーです。
おうちモンテとは、モンテッソーリ教育をご家庭で実践することです。
GoogleやAmazonなど世界的大企業の創業者たちが幼少期に受けてきたのがモンテッソーリ教育。日本では将棋界の藤井聡太さんが受けた教育として有名になりました。
今注目を浴びているモンテッソーリ教育ですが、名前を聞いたことがある人でも、
- モンテッソーリって何?
- どんな効果があるの?
- モンテッソーリ教育ってどうやるの?
と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
今回はモンテッソーリ教育の歴史や特徴、効果を高めるポイントについて解説します。
本記事を一読すれば、お子様の見方や接し方が変わるかもしれませんよ。
モンテッソーリ教育とは?
モンテッソーリとは、「マリア・モンテッソーリ」の人名ですが、一般的には「モンテッソーリ教育」を指す用語として使われています。
モンテッソーリ教育とは?|医師が始めた教育
モンテッソーリ教育とは、マリア・モンテッソーリが1907年1月6日にイタリア/ローマのサン・ロレンツォに「子どもの家」を設立したのが起源です。
マリア・モンテッソーリはイタリア初の女性医師であり、精神病を専門としていました。ローマ大学医学部を主席で卒業するほど優秀な医師でしたが、当時、牢獄のような場所に収容されていた障がい児と出会ったことをきっかけに教育者へ転進します。
マリア・モンテッソーリが「感覚に訴えて、動きを伴った活動」の教育を障がい児に行なって公立学校の試験を受けさせたところ、健常児よりもいい成績で合格してしまったんだ!
人々は奇跡だと驚愕し、一気に注目が集まったよ。
この教育が「子どもの家」で健常児にも効果があると実証され、徐々に体系化されたのがモンテッソーリ教育です。
またマリア・モンテッソーリは医師であったため、子どもを見る目に「科学」を導入しています。つまりモンテッソーリ教育は単なる教育法ではなく、医学、心理学、生理学など幅広い学問の土台の上に成り立っていることが最大の特徴です。
そんなにすごい教育法だったんだ!
でも「科学」を導入って何?
モンテッソーリ教育は、「子どもを科学するメソッド」とも言われているよ。「科学」とは、
・ 論理的
・ 客観的
・ 実証的
なもの。つまり、誰が見てもその通りであると考えられ、実証されている教育法なんだ。
モンテッソーリ教育の特徴とは? | 子どもが起点
<それまでの教育>
子どもは何もできない存在なのだから、親や教師の言う通りにしていればいい。
まるで今の日本教育のよう(笑)
これに対して、マリア・モンテッソーリは真っ向から違う意見を主張しました。
<マリア・モンテッソーリの主張>
子どもはすべてのことができるように生まれてくるのです。
もし、できないことがあるとすれば、物理的に不可能な環境にあるか、どうすればいいのか、やり方がわからないだけなのです。
マリア・モンテッソーリは、環境を整えてやり方を教えれば、子どもはなんでも自分でできると考えていました。そしてそれを「子どもの家」で証明したのです。
「子どもの家」では、机や椅子はもちろん、トイレや洗面台などの日常生活を行うすべての環境が子どもサイズに整えられています。大人は子どもがひとりで取り組むのを見守り、本当に困っている時のみ支援します。この環境に置かれた子どもたちは「新しい子どもの誕生」と称され、生まれ変わったように自発的に活動を始めていました。
それまで考えられていた「教師が一方的に教える教育」から「子どもが主体となって学ぶ」という、教育法の大転換があったのです。そして今や世界中にこの教育法は広がっています。
モンテッソーリ教育の効果とは?|予測不能な未来へ適応できる力
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう(米デューク大学の研究者キャシー・デビッドソン氏が、ニューヨークタイムズ紙のインタビューで語った言葉)」と言われています。
今の子どもたちは予測不能で不透明な未来を生きていかなければいません。モンテッソーリ教育は、子どもの個性を伸ばしつつ自主性や積極性、自分自身で学習する力を育むことに効果的です。そして、これらの力は現代にこそ最も伸ばすべき力といわれています。
でも100年も前の教育なんだよね?
今の時代にあっているの?
100年経っても人間の成長プロセスは同じ!
人間の発達を科学的に分析した結果の教育法だからこそ、今でも根強く愛されているんだ。
効果を高める3つのポイント
モンテッソーリ教育では環境の整備が大事なんだね!
「環境が整った」って、どんな状態を指すの?
以下の条件がそろった状態だよ。
この条件が満たされて初めて、子どもは主体的に活動を選ぶことができるようになるんだ。
- 子どもの発達段階に応じたモンテッソーリ用具、教具がある
- モンテッソーリ講師がいる
- モンテッソーリ講師による適切な提示(使い方の説明)が行われた
え!おうちでやるの無理じゃない!?
確かに本格的なモンテッソーリ教育をおうちで取り入れることはハードルが高いです。
ですが、モンテッソーリ教育で取り入れられている「子どもの見方や助け方」は子育てに関わる誰もが参考にできます。棚や教具を使ったアプローチも、できる・できない、という0か100かではなく、無理のない範囲で取り入れるとよいでしょう。
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ポイント① | 子どもを観察する
子どもの観察は、マリア・モンテッソーリが何よりも大切にしていたことでした。
マリア・モンテッソーリは観察を通して、子どもに対して抱かれていたさまざまな偏見や先入観が誤りであったことに気がつきます。
ぜひ、皆さんのお子様を観察してみてください。例えばこんなことをしていませんか?
- ティッシュを出して遊んでいる。
- コップの水をこぼす。
- タオルの表面をさする。
- ミニカーを並べる。
- ジャンプを繰り返す。
- サンドウィッチのパンがズレると泣く。
- ポスターに書かれた文字をなぞる。
- 数字をただひたすらに数える。
大人からすると無意味に見える動作ですが、全て子どもが発達するために行っている行動です。
例えば、「ティッシュを出して遊んでいる」は運動の敏感期といって、「つまむ→はなす」という手の動作を練習しています。実は子どもはこの動作を繰り返すことで、「つまむ→はなす」という動作の獲得だけでなく、脳も発達させているのです。
何気ない日常のワンシーンであっても、実は意味があるかも?と考えてみましょう。
ポイント② | 環境を用意する
「子どもは大人によって教えられて成長するのではなく、環境を吸収して成長していく」というのがマリア・モンテッソーリの考えです。
子どもを観察した結果、その時その子が発達のために必要としているものを把握して用意しましょう。例えば、食事中にコップの水をこぼす子には流しやお風呂場で思いっきりやらせてあげたり、お盆を敷いてこぼしても片付けやすくしてあげます。
また、しゃがんで子ども目線で部屋を見回してみてください。子どもの目線で部屋の環境も整えてあげましょう。机や椅子、生活に必要な食器や収納棚などはすべて子どもサイズでそろえます。そしてなるべく本物を用意します。たとえば、お皿は陶器のものを含めるといったことです。
ポイント③ | 大人は「待つ」
大人は常に「待つ」姿勢で子どもと接しましょう。どうしても助けの必要な時にのみ支援を行います。
つい、子どもがもたもたと服を着替えていると手助けしがちですが、グッとこらえて子ども自身の力でやり遂げるのを待ちます。言葉が話せる年齢の場合、「手伝って」と言われるまで待ってみてください。
この意識をもっているかどうかがおうちモンテを正しく行えるかどうかの分かれ道です。子どもは本来、大人とは比べものにならないほどトライ&エラーを繰り返して自分自身で学ぶ力をもっています。何に興味をもって、何を学ぼうとするかは子どもに託し、大人は子どもが興味を示したもののお手本を示したり、やり方を教えたりする支援者の立場をとることが大切です。
まとめ
今回はモンテッソーリ教育の効果や、具体的な教育方法について解説しました。
モンテッソーリ教育は子どもの個性をはじめ、自立心や自主性、自己学習の力を伸ばすことを目的にした教育です。そしてこれらの力は今後の未来を生きていく上で確実に必要な力とされています。
モンテッソーリ教育を行うには、子どもを「観察」し、発達段階に合わせた環境を整えることからはじまります。大人は子どもが自ら学ぶことを信じて、必要な時にだけ過不足ない支援を行うという「待つ」立場をとることが大切です。
まずはお子さんをしっかりと観察して、興味のありそうなことを見極め、子ども自身がやり遂げるのを待つことからスタートしてみてください。
参考文献:「子どもの発見(マリア・モンテッソーリ著)」
参考文献:「0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!(藤崎達宏著)」恩師の本です。
#最後まで読んでいただきありがとうございます。
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