「りんご」はどれかな?
(りんごを指さす)
あっているよ(うちの子すごい!)
じゃあこれは何かな?
・・・・・・(無言)
うーん・・・
理解できているはずなのに、言葉が出てこないなあ。
お母さん、そんなにあせらなくても大丈夫!
言葉の発達について、モンテッソーリで解説していきますね。
子どもと向き合う親は言葉の発達に敏感です。
「たくさん言葉を教えているはずなのに、全然話さない!なんで?」と、思ったりしていませんか?
- 沢山語りかけたし、絵本も読んでいるのに話さない
- モノの名前を理解しているはずなのに話さない
- 「〇〇はどれ?」と聞いても指をささない
- 「〇〇はどれ?」と聞くと指さすのに、「これは何?」と聞くと無言でいる
子どもから反応が返ってくると嬉しくて、つい「〇〇はどれ?」「これは何?」とアウトプットを求めてしまいますよね。最近は、子どもに「これは何?」「なぜ?」「なんで?」と聞いて考えさせよう、という風潮もあってアウトプットを求めることを心がけている方も多いのではないでしょうか。
でも、良質なアウトプットは良質なインプットがないとできません!言葉の発達も一緒です。
今回は、おうちモンテの子どもの発達に沿った言葉がけ、セガンの3段階レッスンについて解説します。
セガンの3段階レッスンとは?
モンテッソーリ教育の言葉がけは、セガンの3段階レッスンを用います。
もともとは、フランス医師であったエドワード・セガンが発達障害の子どもたちに向けて開発した言葉の教育手法です。それをマリア・モンテッソーリがすべての子どもに活用できると証明しました。
とくに0歳〜3歳の言葉がけに取り入れられていますが、実は算数教育でも同じ方法で数を教えていきます。モンテッソーリで何かを教える際の基礎ともいえる3ステップ。是非覚えてみてください。
具体的にはこちらの3ステップです。
子どもには「名前はわかる!けど言えない」段階があることを知っておきましょう。
子どもは第3段階になって初めて「これは何?」「りんご!」と答えられます。それまではインプットに専念し、一切アウトプットを求めません。
第1段階:見たことがある!
0歳〜1歳の子どもは第1段階。この時期はアウトプットを求めずに、ひたすらにインプットの時期です。
まだ発語はありませんが、言語の敏感期は妊娠7ヶ月頃から始まるため、子どもは見たもの・聞いたものをどんどん吸収します。
さらに、はじめてのモノは実物(本物)から触れさせるとよいです。
たとえば本物の果物を見て触れさせ、「みかん」「イチゴ」などとしっかり発音しましょう。その後、段階的に写真、絵カード、絵本を活用していきます。具体→抽象の順で移行すると子どもは混乱せずにモノを学習できます。
- 口元をよく見せる
声を発することができない子どもは、口元をみて声の出し方を学習します。
顔をよく見て、口を大きくうごかして発語しましょう。 - ゆっくり話す
早口で話すと、子どもは聞き取れません。ゆっくりはっきりを心がけましょう。 - 普段よりも高めの声で
赤ちゃんに優しく囁くような話し方を育児語(マザリーズ)と呼び、母語の音素の吸収を助けます。
この時期は子どもが言葉を言えるかどうかは重要でなく、大人がどれだけの言葉を教えてあげたかが重要になってきます。生後9ヶ月を過ぎると大人が指をさす方向を一緒に見る「共同注意」ができるようになるので、家の中や外出先でたくさんのモノを指さして、言葉のシャワーを浴びせてください。
第2段階:名前はわかる!けど言えない
多くのお母さんはこの第2段階を知らないがゆえに、言語発達に沿わない言葉がけをしてしまいがちです。第2段階は1〜2歳の頃に発現し、モノの名前を知っていてもうまく発語できない時期となります。
よくある間違いは、この時期の子どもにアウトプットを急かしてしまい、「よーく見て、りんご、り・ん・ご!」と発語を促すように言ったり、りんごを見せながら「これはなーんだ?」と尋ねるなどです。
なんだ?と問われても子どもはうまく「りんご」と発音できません。
なので、本物や絵カードを3つほど見せて「りんごはどれかな?」「りんごをください」と聞いてみましょう。
いきなり発語を求めるのではなく、動作でのアウトプットを促そう!
第2段階にいる子どもは、手に取ったり、指差しをしてくれます。そうすることで、この時期の言語の力をしっかり伸ばしてあげられます。
第3段階:名前が言える!
2歳前後で、発音できる言葉が増えてきたら、ここでいよいよ「これは何?」と名前を聞いてあげましょう。第1段階、第2段階での積み重ねがここで爆発します。
あせらずじっくり、です!
【おうちモンテ】セガンの3段階レッスンまとめ
セガンの3段階レッスンは、モンテッソーリ講師が何度も練習して身につけるやり方です。ぜひ、お子様への言葉がけはアウトプットを急がずインプット重視で取り組んでみてください。
みなさんの取り組み方で、我が子の言葉の力をしっかり高められます。
参考文献:恩師の本。「0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!(藤崎達宏著)」
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